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8:検察の取調べってどういうもの?起訴か不起訴か判明し、略式裁判となります。

警察の取り調べが終わっても、まだ続きがあります。次は検察の取り調べです。この記事では、検察の取り調べについて解説します。

 

検察の取り調べは、警察から書類送検された後

警察が貴方を取り調べ、その結果を調書にまとめます(供述調書といいます)。調書には、犯行当時の貴方の行動や犯行動機、犯行事実などが記載され、貴方が署名押印をすることで、調書は完成となります。

調書を含めて、捜査資料一式が検察へ送付されます。このことを書類送検と言います。

この時点で、警察による捜査は終了となり、次は検察が貴方を取り調べすることとなります。

 

検察から電話がくる

時期にも寄るのですが、書類送検されてから大体1ヶ月後くらいに検察から呼び出しがあります。

多くの場合、電話で日程の調整を行いますが、警察とは異なり平日に取調べを行うことが基本となります。

また、電話では日程の調整が中心となり、事件のことについては聞かれません。この点が、警察から電話がくる際との違いですね。

 

取り調べは全国の検察庁支部

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検察庁(画像はWikimedia Commonsから)

警察の取調べは事件を所管する警察署で行いますが、検察の取調べは検察庁支部で行われます。検察庁の本部は東京の霞が関ですが、支部は各都道府県に1個以上あり、検察の取調べは、支部で行います(東京は本部と同じく霞が関支部がある)。

 

所要時間は2〜3時間程度

検察の取調べは本サイトが想定しているような比較的軽微な窃盗や器物損壊の場合はおよそ2〜3時間程度となります。

取調べの内容は、警察から送付されてきた書類の確認が中心です。大雑把にいってしまえば、警察の取調べと同じことが聞かれます。

検察の取調べといっても、警察の取調べと対応は変わりません。つまり、対策は警察の時と同じです。

(対策の詳細は、「被疑者になった?取調べの対策を解説します。」をご覧ください。)

警察の取調べ以降、貴方の有利になるようなことが発生していれば、積極的に話しましょう。例えば、謝罪金を実際に支払ったとか、実際に謝罪した、とかです。

ちなみにこちらの記事で被害の弁済をしたことを証明する受領書の書き方を紹介しています。もしよければ、ご覧ください。

law-rescue.hatenablog.jp

 

取調べ後、起訴か不起訴か判明

取り調べが終わってしばらくすると、検察官から起訴か不起訴か伝えられます。この時は本当に心臓がバクバクですね。

不起訴となれば、これで事件は終了です。もちろん、刑事事件としては終了というだけで、民事的な解決ということは意味しません。ただ、罰金の支払いもありませんし、当然前科もつかないことになります。

問題は起訴となる場合です。検察から起訴を伝えられた場合、絶対に裁判となります。そして、裁判は次の2通りの方法から貴方が選ぶことができます。

  • 略式裁判
  • 正式裁判

 

略式裁判とは?

略式裁判とは、次の通りです。

100万円以下の罰金又は科料に相当する事件について,被疑者に異議のない場合,正式裁判によらないで,検察官の提出した書面により審査する裁判手続です。

検察庁HPより

ポイントは、被疑者(貴方)に異議のない場合、という点です。つまり、貴方が罪を認めており、貴方不在で裁判して良い場合に選択する裁判です。

被疑者(貴方)にとってのメリットは迅速かつ簡易に裁判を終えることができるという点でしょう。

略式裁判を選択すると、約1ヶ月後に簡易裁判所から略式命令が届きます。内容は罰金を支払いなさい、という命令が書いてあるものです。

略式裁判は被疑者に異議のない場合に行われる方法ですから、無罪となることはあり得ません。必ず罰金が確定します。そして、懲役の可能性は100%ありません。

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管理人の受け取った簡易裁判所からの通知

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略式命令


正式裁判を選択すべきケース

軽微な犯罪の場合、略式裁判を選ぶ方が圧倒的に合理的です。時間的な節約はもちろんのこと、裁判したところで罰金額が減ることはないからです。むしろ弁護士費用が必要になるので、負担が大きいでしょう。

ですが、正式裁判を選択した方が良いケースもあります。それは、冤罪だったり、事実とは異なる場合です。

貴方が犯人ではない、または犯人ではあるがやっていないことも含まれているような場合、正式裁判によって貴方の無罪を争うことができます。

 

略式裁判を選んだら、あとは略式命令を待つのみ

多くの方は、略式裁判を選ぶと思います。略式裁判を選択したら、あとは略式命令という、罰金金額の支払い命令書を待つのみです。このあたりでひと段落といったところでしょうか。

ちなみにですが、略式命令による罰金額は初犯で軽微な犯罪かつ被害者に被害額の賠償が済んでいる場合で10万円が相場となっています。10万円未満となることはほとんどありえないので、10万円が加害者にとって最も最善な罰金額ということになります。

ここまで来てしまえば長かった不安もあと少しで終わりです。人によっては解放感を感じているのではないでしょうか。お疲れ様でした!あとは略式命令の受け取りと罰金の納付を残すのみです。

あと、もう少しだけ本サイトにお付き合いください。

 

【次にご覧いただく記事はこちらです。略式命令の受け取りと罰金の納付方法を解説しています。】

law-rescue.hatenablog.jp

 

【どうしても不起訴になりたい!という人はこちらをご覧ください】

law-rescue.hatenablog.jp